4.どんなところにいるの?

鳴く虫の生活圏は、地上、地中、水中や樹上に分けられます。
地上でも草丈の長短や湿地や荒れ地でも住むものが違います。(鳴く虫の仲間には発音しないものも含めています。)


(1)地中
……ケラ。

(2)水中……鳴く虫はほとんどいません。

(3)樹上……ハルゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシなどのセミ類。
アオマツムシ、カネタタキ、ヤブキリ、クサヒバリ(つる草などの薮)、たまにクビキリギスやシブイロカヤキリモドキ。
ヤブキリは若虫(幼虫時代はこう呼ばれます)の時は草原で生活しています。

(4)地上
(原っぱや畑、民家の庭)……エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、ミツカドコオロギ、ツヅレサセコオロギ、コガタコオロギやマダラスズなどコオロギの仲間や、クルマバッタモドキ、イボバッタ、ヒシバッタ、ハネビロヒナバッタなど。また、クビキリギスやシブイロカヤキリモドキは畑や湿地、林縁などでもきかれ、生息範囲が広いのですが、シブイロカヤキリモドキの方が湿地など、より自然に近いところに生息します。

(草地)……芝生ではシバスズ、もう少し草丈の長いところを好むヒゲシロスズ。
ひざ丈くらいの草地ではマツムシやカヤコオロギ、キリギリス、コバネヒメギス、ツユムシ、ナキイナゴ、トノサマバッタ、ショウリョウバッタ、オンブバッタなど。
チガヤの草地ではショウリョウバッタモドキやホシササキリなど。特にチカラシバの草地にはオナガササキリが好んで生息します。

(田んぼや湿地)……タンボコオロギやヤチスズ、今では絶滅したかもしれないクマコオロギ、初夏に鳴くエゾスズ、その後で鳴くキンヒバリやヒメギス、ウスイロササキリなど。

(河原など)……カワラスズは河原に生息していますが、住んでいる所が似ている線路の砂利の間に生息しています。
(林内)……コバネナガカメムシ、ハヤシノウマオイ、セスジツユムシ、アシグロツユムシやササキリ、ヒメツユムシやミドリササキリモドキ、セスジササキリモドキ、コロギスやハネナシコロギス、マダラカマドウマやカマドウマなど林内などで多く見られます。また、林床ではヤマトヒバリが聞かれます。